独り花火











ステラのすぐ傍に、

若干視野が欠けるものの、

独り静かに大きな花火が見られる

秘密のスポットがあり、

そこが私のお気に入りです。


美しい姿を見せた瞬間に

この世から姿を消して行く儚さ。

 夏至を過ぎれば日が短くなる、盛夏の中の冬。

足早に秋を過ごし、やがて冬を迎える自分。

二度と戻れない幼い日の夏休み、

扉一枚の向こう側に、

確かにあった、おとぎの国の記憶。

そんな想いが幾重にも重り、
感傷の波となって心に押し寄せます。

だから私は、花火を独りで見ます。